版画芸術2018冬号 表紙と特集

 

 

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巻頭特集
木口木版(こぐちもくはん)とは黄楊や椿など、目の詰まった堅い木を輪切りにした面を、「ビュラン」という彫刻刀で彫っていく木版画の一種です。
18世紀末のイギリスで発明され、当時は書籍の挿絵として用いられていました。
日本へは明治20年に伝わり、やはり書籍や新聞の挿絵のために使われます。
やがて印刷の技術が発展するにつれて木口木版は廃れていきますが、1960年代に日和崎尊夫(ひわさきたかお)という一人の版画家が、独学でこの技法をよみがえらせました。そして、日和崎も一員であった木口木版画のグループ「鑿の会」(のみのかい)の活躍に影響を受けて、木口木版は日本で流行します。
本特集では「鑿の会」以後、現在活躍する作家18名の紹介と、木口木版発祥の19世紀の作家・作品をそれぞれご紹介します。
緻密で美しい小品世界のもつ魅力を、隅から隅までご紹介する決定版です。

目次
巻頭特集/木口木版 日本の現在と西洋の起源
現代木口木版の作家たち
宮崎敬介・二階武宏・林 千絵・齋藤僚太
柄澤 齊「年輪と星星 木口木版見聞記1974~1979」
西洋木口木版の起源と発展
佐川美智子「西洋の木口木版―その魅力」
今すぐ買える版画の逸品「版画マーケットプライス」
注目の作家/星野美智子
版画芸術オリジナル版画・アートコレクション制作/銅版画家・古本有理恵
期待の新人作家/村上 早