↑ 本展では展示作品の原版も展示。
そのうち何点かは数十年の月日の中で銅版が腐食され、緑青に覆われていました。
銅版画の作家さんにも手伝って頂き、酢と塩で幾度も幾度も洗って、ようやくイメージが確認できたものもありました。
版を見ることで、両氏の微妙な線の違いや、刷った作品ではなかなか分からない彫りの強弱を感じられます。
↑ 手前の原版は渡辺氏のボッティチェリの春の摸刻。
写真ではわかりづらいのですが、手のひら程の版に引かれた圧倒的な線はスケール感を揺らがせる。
↑ 渡辺千尋「大地の祈り」
こちらは二版多色刷り。この版は最も腐食が進んでおり、版の洗浄に苦労しました。。
↑ 左:渡辺氏のビュラン 右:門坂氏のビュラン
作家によって道具の形状が違う。
奥にあるのがクッサンと呼ばれる、版の下に置き、回転させながら彫り進めていくための道具。
↑ 門坂流:左「深淵」1988 エングレービング 右「一角獣」2003 ドライポイント
↑ 渡辺千尋「懺悔の夢景」1978 エングレービング
↑ 渡辺千尋「地霊」2004 メゾチント
↑ 左: 渡辺千尋「曼珠沙華」2009 エングレービング
右: 渡辺千尋「無辺」2007 エングレービング
↑ 門坂流:左「大滝(モノクロ)」1988 中央「扇の滝(モノクロ)」1992 右「深淵」1988 全てエングレービング
↑ 門坂流:左「オンディーヌ」1978頃 右「炎」1986 いずれもドローイング