門坂流へのオマージュⅡ 結城泰介

結城泰介 「風の吹く森」 
2017 エッチング、アクアチント、エングレーヴィング、ドライポイント、コラージュ、手彩 210x210mm ed1 

【コメント】
門坂さんは、妻との方が関わり深かった。彼の京都での発表拠点は平安画廊(2008年閉廊。)で、当時妻はそこのスタッフだったからだ。妻から、門坂さんを自転車の後ろに乗せて一緒に鴨川に行ったエピソードを聞いた事がある。まるで少年の様に目を輝かせてはしゃいでいたそうだ。2010年頃、私は東京でとある作家のレセプションに足を運び、氏と初めて対面した。「私の妻は平安画廊のスタッフだった◯◯です。」そう伝えると「おー君があの京都の田舎娘(純朴な、と言う褒め言葉だろうか?)の旦那か!!」と、少々(結構?)酔った赤ら顔でギューと強く私を抱きしめてくれた。それから数年後、助手をしていた東京藝大版画研究室で偶然目にした新聞で訃報を知った。肩書きに「イラストレーター」と書かれていたのに少し違和感を覚えた。