高橋俊哉(会社員・美術愛好家)
「机上の惨事」
廃墟となっている都市と、遥かに続く瓦礫の荒野。
一見、無残な光景を描いているようですが、手前を見ると作者とおぼしき手が見えており、作品を描いている最中にインク壺がひっくり返っています。どうやらこの瞬間の作者の心象風景のようです。
それにしても、ここまで細かく描きこまれた廃墟にはただただ感心するばかり。見飽きることがありません。
ライトに止めてある紙には Vanity of vanities; (虚栄心の中の虚栄心)と書いてあり、作者の何らかの思いがあるのかもしれませんね。