設楽知昭 「背中合わせの絵さん」
2014 oil and pastel on panel 400×320mm
この絵の中心部はパステルで描かれています。独製のソフトパステル、シュミンケはとても柔らかくたっぷりと表面につきます。油彩画と違う絵の進み方にたいへん戸惑うのですが、面白いです。パステルでなければ、このようなタイトルも生まれなかったかもしれません。
背中合わせということについては、ギリシャ神話のアンドロギュノスのことやらローマ神話のヤヌスのことなどを引き合いに出しても良いのですが、すこし野暮な感じにもなってきます。私たちはそういうことは現に生きていて知っていることです。
「絵さん」はやや唐突かもしれません。しかし、パステルで描いていて、わずかに中心部に触れたような気がしたのです。