設楽知昭 「FRESCANTE」
1984 pigment 380×190×150mm
FRESCANTEはイタリア語でフレスコ画家を意味する言葉です。私はフレスコ壁画の制作もしましたが、壁画を制作する機会はなかなかないものです。この作品は建築空間に備わる壁画を集約して塊とする考えから出来てきました。また、色彩(顔料)を三次元的にとらえ、量をもったものとして構成するという考えもありました。型枠などを使い、顔料を膠やセンメントなどで固めました。枠から外すときに割れたり欠けたりしますが、そのままに組み立てました。まるでパステルやクレヨンで出来た積木のようなものです。色や形を立体的に考え組み立て展開するというのは、私が二十代後半に取り組んでいた課題です。その後、版的な方法を使いながら形式としては平面的な作品になってゆくのですが、私が色や形を考えるとき、頭の中ではそれらは立体的にあるのです。