2009年10月21日(水)~11月7日(土)
当画廊では1年半ぶりとなる今回の個展のテーマは、“Wanderer”。放浪者、さまよう人という意味ですが、不安や緊張が蔓延する現代でも、孤独感だけを感じるのではなく、その状況に漂うことを楽しめるようにというメッセージが込められています。
作品のテーマだけでなく、表現する技法も銅版画、テンペラ、フレスコセッコ、ドローイングなど、常に新たな物にチャレンジし続ける藤浪は、アーカイボピグメントプリント※という手法を選択。自ら撮影した写真を使い、異次元のような不思議な世界が作り出された作品は、また新たな藤浪理恵子の魅力を感じさせてくれます。
今回は、新作“Wanderer 放浪者 その邂逅”シリーズを中心に、約10点をご紹介。新作6点を収録した版画集『Wanderer』も刊行。
※アーカイボピグメントプリント…作品を制作するプロのアーチスト用に開発された欧米のデジタル作品に使われる手法。変色を起こさないことを目的に開発された8種類ほどの顔料系インクを使用するため、作品の長期保存に適している。高価でデリケートな調整が必要で、ギャラリーやアーチストが専門会社にプリントを依頼するのが一般的だが、藤浪は自身でプリントしている。