【銅版画家】
世代的に交流は一切なく、ビュランの研究をしているときに出会った作家。空の森の厳しさと、机上の惨事のユーモアさが同居する不思議な人なのだと感じました。絵よりも、ビュランや、その技術を探究していたのかなと、勝手ながら納得していたけれど、多くのものを観ていくうちに今展で作家の複雑な心情を追えるようでした。音楽も良く、物故作家ならではの展示構成で面白かったです。
「ほおずき」
作家のメゾチントの仕事を初めて観ました。他のものにはあまり関心が湧かなかったけれど、この作品からはほおずきの柔らかな質感とビュランの線によるチリチリとした繊維の音が聴こえてくるようで、印象的でした。
「机上の惨事」
見た通りの絵。作家目線からすると、本当にやり切れない惨事。これを彫り上げたユーモラスさに感銘を受けます。