古茂田守介 「杏子」 1948年 油彩・キャンバス 409×318(F6)
今年は古茂田守介生誕100年目の年となります。本展はそれを記念した企画展となり、古茂田守介のアトリエに遺されていた娘の杏子と妻の美津子を描いた油彩画やドローイングを中心に、美津子(もともと画家で)守介没後に活動再開)と杏子の銅板画も展示し、画家家族3作家による「描かれた少女」をテーマに構成する企画展となります。
◎古茂田守介 1918~1960 愛媛県生 猪熊弦一郎・脇田和に師事。新制作協会参加 42歳の若さで目黒アトリエで永眠。
目黒区美術館で3度の回顧展(1990,95,2012)開催。不忍画廊で没後40年展(2000)、駒井哲郎と二人展(2007)開催
古茂田美津子 「うたたね」 1988年 油彩 455×380(F8)
◎古茂田美津子 1921~2007 東京目黒区生れ 岡田謙三に師事。結婚による中断の後、画業再開し新制作協会出品
古茂田杏子 「ウサギ」 1990年頃 銅版画 145×150
◎古茂田杏子 1946~ 東京生れ‘70頃~両親の影響で絵画制作。1990より銅版画制作開始。2000年より、「人人展」に出品。 第42回人人展(2018.3.25~30 会場:東京都美術館)出品
描かれた少女は…誰?
それは私です。たしかにあの時、アトリエに呼ばれて「じーっとしててヨ。」と言われ、しばらくは動きたくても我慢して居ました。幼心に〈お父ちゃんの為ならエンヤコラー〉と思う気もありました。「ありがと。もう良いヨ。えらい子じゃ。」と誉められたのも覚えて居ます。
少女の時代は瞬間に過ぎるもの、チャンスを逃さず描き留めておいたのでしょう。
その後十年程で父は他界致しましたが、描かれた「杏子」は今でも私を守ってくれて居ます。
母・美津子は孫を、私は娘を描きました。そしてそれらが“描かれた少女”の〈お守り〉になれば良いナー。と願っています。
古茂田杏子
2018.2/18 記
生誕100年記念展図録 『 c o m o 古茂田守介 』 限定300部 1000円+税